お泊まりデイサービスの特徴について元管理者が説明します!

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こんにちは、元お泊まりデイサービス管理者の佐久間(Twitter)です。

僕は7年間程お泊まりデイサービス管理者として従事していた経験があるので、今回はその特徴などを書いていこうと思います。

現在、お泊まりデイサービスを探している方や、新しくお泊まりデイサービスを開設する事を考えている事業者の方にとっても参考になればいいなと思っています。

お泊りデイサービスの費用が安い理由

まずは、お泊まりデイサービスの費用が安い理由についてですが、先にお泊まりデイサービスの料金の構成を説明します。

お泊まりデイサービスの料金の構成

①昼間のデイサービスの利用料金(介護保険内)

②自費サービスの利用料金(介護保険外)

(②の内訳:宿泊費・朝食費・昼食費・夕食費・延長費・選択費など)

発生する費用は①+②を合算した金額。

①に関しては、金額を操作する事が原則不可能です。つまり、昼間だけ運営している同規模のデイサービスの料金と同じです。

しかし、②に関しては各施設で独自に値段設定をしますので、極端な話いくらでも安くする事が可能です。

では、なぜお泊まりデイサービスは②の料金(特に宿泊費)を安くできるのか?

それは「そもそもがデイサービス」である事がポイントとなります。

お泊りの自費サービスを利用するには前後日の昼間のデイサービス利用が条件(お泊まりだけは出来ない)というケースが多いです。

つまり、昼間のデイサービスの稼働率を上げる為の売りのひとつとして「安い宿泊費を筆頭とした自費サービス」があるという解釈をして貰えたらOKです。

ほとんどの(僕は全てだと思っているが)お泊りデイサービスでは、宿泊費と夜勤の職員の人件費を比較すると夜勤の職員の人件費の方が上回ります。しかし、それでも安い値段で提供できるのは「昼間のデイサービスの稼働率が良ければ採算が取れるから」という背景があるからです。

お泊りデイサービスの需要は多い

お泊まりデイサービスの利用には大きく分けて以下の3つのパターンがあります。

  • 長期間の利用(宿泊も併用して、長期滞在したい人)
  • 短期間の定期的な利用(例えば、月曜日の朝から1泊し火曜日の夕方までの利用をしたい人)
  • 昼間のデイサービスだけ利用したい人

実際、特養待ちなどの方がずっと泊っているというお泊まりデイサービスもあります。

地域によっては、30日以上連続で宿泊するのはNGという場所もありますので全ての地域で可能な訳ではありませんが、宿泊を絡めた利用は経験上かなりの需要がありました。

有料老人ホームと比較したらどうでしょうか。利用料金は半分くらいで毎日レクリエーションに参加出来るし寝泊まりも出来るとなるともはや比べようがないですよね。

視点は変わりますが、利用者獲得の為に営業に行く際も「お泊まりデイサービス」というだけで即利用の紹介が出る鬼のような強みだと感じていました。

しかし、お泊まりデイサービスにも弱点があります。

実際に運営していて痛感していた事を次に紹介したいと思います。

緊急時に弱い部分がある

お泊まりデイサービスの欠点としては「少ない人員で運営している」という事が挙がります。

お泊まりデイサービスのビジネスモデルとして、先に説明した安い宿泊費を含む自費サービスを提供するには、人件費を含む経費は抑える必要があります。

したがって、夜勤者は基本的に一人だったりします。

さらに、1日の利用定員が10名以下の昼のデイサービスに言える事ですが、常勤の看護師がいない場合がほとんどです。(看護師の給料相場的に雇ったらほぼ施設が赤字になると思う。)

そもそも1日の利用定員が10名以下のデイサービスでは、看護師を常勤で雇う必要はないので法律上はOKです。

しかし、少ない人員で運営すると緊急時の対応が苦しくなる場合があります。特に夜勤帯に救急車を呼ぶ場合、職員が一人の事がほとんどなので代理の職員を用意しなければならなくなる事があるといった感じです。

でも深夜に電話に出てくれる人もいないので、結局は管理者である僕が対応するなんて事もしばしばありました・・・施設からの電話は毎回心臓がバクバクでした(笑)

もちろん、必要以上に職員を使っている施設もあります。が、僕が見てきた中では最終的には採算が合わず、経営が苦しくなり撤退するというケースが多かったです。

利用者や利用者の家族からすれば、職員が多い事や常勤看護師がいる事で安全だと感じるかも知れませんが、撤退してしまえば当たり前ですが利用する事も出来なくなる訳ですので、採算がとれる中で最大のサービスが提供できるような人員配置をする事が必要です。

(行政の人員配置基準は守りつつ)少ない人員で運営していても利用者や利用者の家族がどの部分に不安を感じるのかをしっかりヒアリングし対策をしていけば事故やクレームは減らす事が可能です。

ですが、緊急時は上記のケースように物理的に人手と取られるケースも少なくないので、この点はやはりお泊まりデイサービスの弱点と言わざるを得ないでしょう。

今後の法改正で取り扱いが変更になる可能性がある

介護保険法の改正はもちろん、それ以外の法改正にも注意が必要です。

例えば、平成27年の消防法の改正ではお泊まりデイサービス等の施設にスプリンクラー設備をはじめとする特定の消防機器類の設置が義務付けられました。

スプリンクラーの設置となると安くはありませんし、賃貸物件の場合はオーナーへ許可を取る必要もあります。

当時はスプリンクラー設置に関してオーナーの許可が出ず、宿泊サービスを廃止したというデイサービスを僕は見てきましたので、法改正は毎回重要なポイントになります。

介護保険法でも今後お泊まりデイサービスの取り扱いが変更になる可能性は十分に考えられます。

事業者として一番良いのはお泊まりに頼らず利用者を獲得する事

事業者目線になりますが、もし昼間のデイサービスの利用者だけで利用が埋まるのならばそれに越した事はありません。

宿泊サービスはあくまでも「昼間のデイサービスの付加価値」と捉えるべきだと考えています。やはりデイサービスで宿泊というのは最終的にはどこかしらに無理が出てくるものだと僕は実際に運営していて感じていました。

前述しましたが「宿泊サービス」の売りとしてのパワーは大きいので、昼間のデイサービスの売りを作ってもやはり宿泊込みの利用相談件数には劣るかも知れませんが、やはり昼間のデイサービスを売っていく事を追い求める事は忘れてはならないという事は僕は言いたいです。

まとめ(デイサービスを探している方に伝えたい事)

今回はお泊まりデイサービスの特徴についてまとめてみました。

今現在デイサービスを探している方に伝えたいのは、お泊まりデイサービスと言えども昼間のデイサービスにもしっかり力を入れようと頑張っている施設もあるので、宿泊ありきではなく昼間のデイサービスとしてもお泊まりデイサービスをぜひ視野に入れて頂きたいと思っています。